久佳乃Blog

この度、たのしい音楽教室が閉室、移転いたします。

2005年に始まったたのしい音楽教室が、7月2日をもちまして閉室いたします。
ちょうどまるまる12年間、長いようで短い歳月でした。
いったい何が起きたかというと、私が妊娠、出産したことがいちばんの大きな変化でした。
子供が生まれたら何かが変わるんだろうなあ...と漠然と感じてはいたのですが、
私たち自身が変えようとしたり、変わったりというよりも、
生まれてきた娘の意思による変化が、大きな波となって私たち家族を飲み込みました。

娘が誕生したのは3月23日でした。
神戸市北区にある小さな産婦人科で、42歳の初産にしてはとても楽ちんなお産でした。
4日間の入院を経て退院した翌日、出来事は突然やって来ました。
同居している義母が「ひかりちゃん、この物件見たっけ?」と
安曇野の不動産物件サイトを見せてくれたのです。
当時、義父と義母は私の故郷である信州をとても気に入り、別荘を持ちたいと
数ヶ月に一度は足繁く通い、中古物件を探し回っては小旅行を楽しんでいました。
情熱の熱さもあってか、なかなか良い土地と家に巡り合うことができないまま5年が過ぎ、
いよいよ忍耐力も疲れてきたかというところに、孫が生まれたというわけです。
私はいつも通りちょっと距離を置いて、娘を抱きながら「どんな物件ですか?」と
義母を促すと、「これなんやけど」と見せてくれたその土地と家に、目を見張りました。
そして、ついこう言ってしまったのです。
「お義母さん、私、これがほしいです!」
今思えば、娘がそう私に言わせたとしか思えないようなスピードでした。
義母は義母で何かに興奮しているかと思えば、半年前からなかなか面白い物件だなあと
見つけていたようなのですが、「昨日よりも値段が下がってるわ!」と叫んだかと思えば
「これなら手が出ないほどでもない」と、いつものように獲物を目にしたときの
強い眼力で私を見ています。
そしてまた、私は思わずこう言いました。
「お義母さん、明日見に行ってくれますか?」
「よっしゃ!」とその翌日には、義父と義母は出かけて行きました。
その後はとんとん拍子に、安曇野にその土地と家を買うことになります。
探し回っていたあの5年間がまるで長い前置きだったかのような、スムーズで早い売買契約でした。

ものも言わない娘が私たちを動かした。
そう表現するしか、今はしっくりとする言葉が浮かびません。
だから、その後の余波は凄いものでした。、
冷静に左脳が動き出し、論理的にこれからの仕事や家庭を考えました。
長い時間をかけて、心が泣いたり、ワクワクしたり、揺れたりしながらも
静かに、深く考えました。
すると、どうしても私たち家族は安曇野で暮らしていく、仕事もあちらでやる、
という未来が、対岸にうっすらと見えてくるのです。
私たち夫婦はまだ、新天地をこの目で見ていません。
当然生まれたばかりの小さな娘を抱いて、遠方へ出かけるわけにはいかないからです。
一度も身体を持って行ったこともない土地に、慣れ親しんだ人や家や仕事、
すべての環境と一旦さよならをして旅立っていくことは、とても寂しく、不安で、
もちろんこれまでの人生の中で、一度もしたことのない経験です。

今年に入った途端、切迫早産で自宅安静を言い渡されてしまった私は、
臨月の1ヶ月間だけレッスンに復帰をさせていただきました。
そして、お約束させていただきました通り、6月にも産後の復帰をさせていただきました。
ですが本当に申し訳ないことに、この夏でたのしい音楽教室でのレッスンを
閉じさせていただき、新しくスタートする安曇野へ行かせていただきます。
長く通ってくださった皆さんからは、温かいお言葉をたくさんいただきました。
閉室をお知らせしたときは大変驚かせてしまいましたが、後から後から
とても前向きで上向きなメッセージをいただいて、心が温かく、救われました。

私に残っているレッスンはあと2日で、
5人の方とご一緒に今まで通り時間を過ごさせていただきます。
先日からも歌を皆さんとご一緒に歌わせていただいているのですが、
無性に歌いたくなる曲が自然と一曲ありまして、
それが松任谷由実さんの「Hello,my friend」です。

まさに私は、たのしい音楽教室に流れ込んで、また流れて去っていった
すべての人や一緒に過ごした時間に「恋」をしました。
それはとても「短くて、気まぐれな」時間だったように思えます。
そして、そんなたのしい時間は最初からそう決まっていたように、
二度と「戻れない」「安らぎ」でした。
「悲しくて」「淋しくて」、「帰り道を探して」も、
もうその「帰り道」はどこにもなくて、今では「胸の奥の友達」でしかなく、
ただひたすらに「もう二度と会えなくても友達と呼ばせて」ほしい。
この12年のたのしい音楽教室は、まるで毎年閉じる夏の店のように
「今年もたたみ出したストア」のひとつで、「台風がゆく頃は涼しくなる」。
この「恋」に「痛み」を抱きしめて、これからも皆さんとのたのしい時間を「想」います。
少し「離れても」、もう「巡り来ぬあの」たのしい時間を
安曇野の地で、私たちは時々というよりは多く、
皆さんのことを「友達」と「呼」ぶと思います。
そして、私たちが「行き急ぐときには、そっとたしなめて」くださいね。

けして短いとはいえない12年間、本当に、ほんとうにありがとうございました。
皆さんがどこにいても、何をしていても、ご自身のことを愛し、信じて、
毎日を胸を張って幸せに暮らしてゆかれますよう、いつも、いつも祈っております。
たのしい音楽教室は、たしかにもう無くなってしまいますが、
私たち、亘理さんと久佳乃はいつでも皆さんの近くにいます。
実際に、安曇野へ私たちを尋ねて遊びに来てくださることを、
毎日のように待っていますからね (^_-)-♬

皆さんとの素敵な時間に、いっぱい、たくさん、「恋」をさせていただきまして、
心より、心より感謝申し上げます。


2017.06.30 | 癒し癒され

発表会ライブ『たのしいLOOP! LOOP! LOOP!」のお知らせ

こんにちは! 亘理久佳乃です。(^_^)

今年も恒例の発表会ライブを開催いたします。
今回は「つながって、生きる。」というテーマで、
今週末の日曜日(11月27日)、11時〜16時まで、
みんなのパフォーマンスで繋ぐ音楽の時間を楽しんでまいります。

14時半頃〜は、1st アルバムから10年目を迎える Song Of Colors のライブもあります。
間所義和のクラシックギターと亘理敬晃のピアノ、亘理久佳乃の歌で綴ります。

どなたでもご自由にご観覧いただけますので、どうぞお気軽にお越しくださいませ。

◎11月27日(日)11時〜16時

◎会場 雲州堂
 http://www.iori-unshudo.com

◎入場無料(軽飲食可)

2016.11.21 | 音楽のある生活

久しぶりに『ワンピース』を観て思ふ〜〜♪

実は、ワンピース(はい、漫画の)、好きなんです。
先日も単行本82巻が出版され、コンビニで条件反射的に購入。
本棚には1巻からずらり82巻まで、ワンピースの歴史が並んでいます。
1997年からの連載ですから、今年で19年目になるんですね。

先日もたのしい音楽教室の仲間たちと、漫画談義をしたのですが、
みんなワンピースのことは当然知っているわけです。
ただ、単行本をすべて買って読んでいるのは私だけでした。
途中までは読んでいたのだけど...、だんだんついていけなくなって...、
あらすじがよくわからなくなってきた、いつも同じような内容で飽きてきた、
などの感想が聞かれました。その気持ち、よくわかります。

でも、それでも単行本を買って、読み続けたい。
これって、なんなんでしょう?
それって、なんなんですか?とメンバーから尋ねられました。
そこで初めて考えてみると、ただただ好きなんだなあ、ということに気づけました。
同じことの繰り返しの中に、登場キャラクター達が大事にしていることがあって、
その大事にしていることを何度でも、何度でも、何度でも
聞きたい、確かめたい、見ていきたい、って思うのです。

たとえば今日なんか、(最近またアニメを録画して観ています)
ウォーターセブン編を観ていて、ゴーイングメリー号とここで別れるという決断を
だしたルフィに対して、ウソップが猛反対し、売り言葉に買い言葉でルフィがウソップに
対してつい言ってはならない言葉を言いそうになったところ、言葉が出る直前にサンジが
ルフィを止めるというシーンがあります。
船長だからこそ、それは言ってはならない、とコックであるサンジが船長であるルフィを
力ずくで止めるわけです。
お前、今、何言おうとした!?って、怒るわけです。
それから、その直前には、ルフィがなかなか冷静に状況を飲み込めないウソップに、
お前は船大工じゃない!!って強く言う場面もあります。
本当はだれでもわかっているようなこと、本人もわかっているようなことを
みんなの前では言いたくないけれど、船長である(会社でいえば社長ですよね)ルフィは
冷静になれ、お前は船大工じゃない、だからこの船を直せないし、この船がこれから先
どうなるかの責任も果たすことができない、とはっきりウソップに伝えます。

また同時に録画して観た『ワンピースエピソードオブサボ』では、7歳のルフィと10歳の
エース、サボが登場するのですが、エースとサボを敵側に絶対に漏らさなかったルフィに
対してエースが尋ねます。
なんで俺達のことを話さなかったんだ??
敵側にサンドバッグのように叩かれ続けて戻ってきたルフィは、
だって、話したらもう友達に戻れないと思ったんだ。
エースは再度尋ねます。
それは死ぬことよりも辛いのか??
ルフィ。
ひとりになるのは嫌だ。ひとりは死ぬより痛てえ!

これが「俺は海賊王になる!」の船長ルフィなんですよね。
ルフィの価値観。
そこでエースは、ルフィのためにも生きようと思ったのです。
それまではいつ死んでもいいとどこかかで思っていたのに、です。
俺は絶対に死なねえ!これがエースの価値観。

さっきのウォーターセブン編の場面では、船長であるルフィの責任感と価値観が、ずっと
ゴーイングメリー号を先頭をきって修繕して装飾してきたウソップの価値観が、みんなの
健康をまずは食事からどんと守っているサンジの価値観が錯綜しています。

いつどこを切り取って観ても、メンバー一人ひとりの価値観(命よりも先に守りたいもの)
が伝わってきて、大人になっても気付かされることがある。
純粋に楽しめて、感動できる漫画だなあって、つくづく感じさせられます。

子供のように今またワンピースを観て夢中になれるのも(大声で笑ったり涙を流したりして)、
11月27日(日)にはやって来る、恒例のサロンパーティ(たのしい音楽教室メンバーで
繰り広げられる、とある休日の過ごし方@雲州堂)が、四ヶ月後には控えていることを
強く意識しだしたからでもあるでしょう。
イベント名も決まっています、ずばり「たのしいLOOP!」。
今日もグロリアジーンスコーヒーで、その後場所を変えてイーオンのフードコートの席で、
亘理さんと二人、白熱した会議をしてまいりました。
一人ひとりが、命よりも大切なことを見つける...、というのは勿論冗談ですが(笑)、
なにか人生で大切なことに、自分の中から改めて気づいたり、仲間に気づかされたりする、
そんな秋のとある休日が、仲間たちみんなで過ごせたら素敵だなあって思います!

さて、明日もレッスン。明後日もレッスン。
その先にある、みんなのワンピースを目指して、
いざ、しゅっぱーーーーーーーーーーあっつ!! です。

追伸
ONE PIECE FILM GOLD( ワンピースフィルムゴールド)の公開は、今月23日から!

2016.07.15 | 映画鑑賞

新年のご挨拶を申し上げます。

2016年は義父の実家がある吉祥寺で迎えました。
おかげで、いつもと違う大晦日の空気や景色をたのしむことができました。
商店街の中にある、昨年見つけたばかりの焼きたてのパンがいただけるお店で
朝食をとりたかったのですが、1月2日まで休業します、と
降ろされたシャッターの上に、ちらしが貼られていました。
2日になるのを待たずにここを去らなければならない私たちは、
あの香ばしくて、つやつやとしたプレッツェルが食べられないのがとても残念でしたが、
お正月をお正月として過ごしているお店の方のことを思うと、
今までよりもっと、このお店のことが好きになりました。

たのしい音楽教室は、昨日の6日からが仕事初めでした。
年が変わっただけなのに、ほんの少しだけ、良い緊張感がお互いにあります。
みなさんの練習曲が、新しくなったこともあるでしょう。
これからつづくレッスンの間に、相対していく歌が変わったのですから、
心の模様替えがなされたような感じなのかもしれません。
まさに、心機一転、という言葉がぴったりな今日この頃です。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2016.01.07 | 日常

2015年、総括。

はいー、あと残すところ2日で、2015年も終わりですね。
なんと(?)半年近く、ブログを書くのを中断していました。
怠けていたわけではないのですけれどもね、やっぱりいろいろありますよね、一年。

今年は7月に兄夫婦が軽井沢で結婚式を挙げまして、家族総出でなぜか4泊5日旅行、
8月は今年春から始めさせていただいたお能の夏の練習会へ夏着物を着て(これも人生初)出席、
9月にはお祖母さんが亡くなり、お葬式に追善供養があり、
11月は恒例のサロンパーティ(たのしい音楽教室の発表会ライブ)とりんご狩り、
12月は今年の春から席を置かせていただいている寺子屋ゼミの研究発表と
生徒さん同士の結婚式への参列という、文字通りの目紛しさで、
ひとつひとつは丁寧に対応できたと思うのですが、心が変化に対応するのが
なかなか大変な半年ではありました。

振り返れば4月に新曲をリリースさせていただいたときは、
秋と冬にもう2枚のミニアルバムを完成させたいと思っていました。
ですがそうはならず、そう思っていたことも忘れるほどの用事につぐ用事で、
改めてといいますか、新鮮な思いでといいますか、
すべてはバランスで成り立っているのだなあということを思い知らされます。

できなかったからどうだというわけでもなく、できたからどうだというわけでもない、
なるようになるのさー、ケセラセラさー。笑
だから、できたときはそれでありがとう、できなかったときもそれでありがとう。
こうして私は進んでいける、名前と同じ、光のように進んでいけるさー。
そんなことを年末間近に感じながら、半年ぶりのブログを綴っています。

こうして新たなページを綴れることも、なるようになっているのさー、ありがとう。笑
なんか言葉遊びしてきちゃいましたが、来年もどんなバランスパワーが待っているのか、
愉快な状態です。

こうしたいと言ったって、なるようにしかならないのさーと言っておきながら何ですが、
来年は熱(エネルギー)をけっこうな割合で「ごきげんボイス」の構築に注ぎたいと思っています。
そうなるように良い意味で来年もまた忙しく、夢中になって
光陰矢の如しを過ごしてまいりたいと思います。

年明け早々の体験レッスンも入ってきております。
新しいことをやってみたいのさー、あるいは、何度目かの挑戦なのさー、あるいは、
なんか面白いことに出会えそうなのさー、と動機はなんでもいいので、
なるようになるボイストレーニングを受けてみたい方は、思ったときが吉日に、
体験レッスンのお申し込みへご連絡してきてください。
自称ボイストレーニングおたくの亘理久佳乃(わたりひかり)がお迎えいたします。

ふー、ちょっぴり営業もさせていただきまして落ち着いたところ、
今日はこれから今年最後の最終レッスン、歌い納めにまいります。

それではみなさん、良いお年をお迎えくださいませ!

2015.12.29 | 日常

大切な方たちへ。

官製はがきを買ってきて、お礼状を二枚、書きました。
いつもは絵葉書をつかうのですが、急に絵が描きたくなって。
真っ白な自由な空間に、さて何を描こうかと考えて、
しばらく宛名となる方のことを思い出していました。

まずは先日、ご結婚式を挙げられたお二人を思い出すと、
濃いピンク色のチューリップが目に浮かんできました。
するすると自然に手が動き、あっという間に大きなチューリップの花が二つと、
少し小さなチューリップが一つ、花束のように身を寄せ合った図が描けました。
花びらを濃いピンク色にぬって、正解だったなあと我ながら。
自分の手で描いた絵が愛おしく、良いお便りになったなあと自画自賛です。

次の宛名の方は、お世話になっている先生です。
やはり花の絵がいいかなあと思っていると、先日購入した本のタイトルと目が合いました。
スミレのように踏まれて香る』は、渡辺和子さんの本です。
そうだ、スミレがいい、と思いました。
すぐにスミレの写真を探すと、たくさんのスミレが画面いっぱいに検索されました。
その中でもいちばん好きなスミレの色、形を選んで、見たとおりに描きました。
真っ白なハガキはすぐに、スミレの絵で華やぎ、残った余白に先生への感謝の気持ちを綴りました。

この青いスミレの花が、先生の気持ちを穏やかに健やかにしてくれますよう...
そんなことを祈っていると、
思えば私はスミレの花が好きだったなあ、ということも思い出しました。
スミレを踏んだことはありませんが、踏まれてもなお良い香りが香るような人に
なれるなら、なれるよう努力したいと思います。
かつて母親も『スミレのような人になりなさい』と私に言いました。
母親にとってのスミレとは、日向でも、日陰でも、どちらともなく
可愛らしく咲いているさまに見習いなさい、ということだったと思いますが、
それもなれるなら、なれるよう努力したいと思います。

こうしてできた手作りの絵葉書を持って、赤いポストへ投函しました。
手紙でもなんでも、ポストへ投函したあとは自然と手を合わせてしまうのは私だけでしょうか?
無事届きますように、届いてくれますように...、そんなところでしょうか。

2015.12.28 | 声について想う

人は「いつ」楽しみを感じて、いつ頃になってサヨナラをするのかなあ。

この間、Hさんとのレッスンの中で、私たちはいつ楽しみを感じるのか?というお話になりました。
対象となるものによっても差があると思いますが、ここでは「いつ」という時に焦点をあてて、
たとえば「遠足に行く」ということを考えてみました。
すると、私たちが楽しみを感じるだろう時「いつ」は、このように大きく3つに分けられるのかな
という風に思いました。

①遠足に行く前
②遠足の最中
③遠足から帰ってきたとき

こうして並べてみると、随分と粗めに分けたものだなあ...とも思いますが、
ま、シンプルなほうがわかりやすいぞ、ということでこのくらいにしておきまして。
早速Hさんは「僕は多分、遠足から帰ってきたときです」と仰いました。
「仕事も成し遂げたときが一番気持ちがいいですからね、よしっ、解放された〜!って」
なるほどなあ、私は...と考えてみますとHさんとは逆だったのですね。
①と②の間くらいのところで。
もう少し細かく時間を割るとしたら、①>②という感じになりました。
そういえば、仕事に対しても、新しい企画を考えたり、実現に向けて手順を創作したり、
ゴールが見えてくるとラストスパートをかけるというよりは
わざと遠回りをしてしまうようなところがあります。
遠足も、帰り道となるとなんだかとても切なくて寂しい気持ちが心に充満してくる、
そんな思い出があります。

ついこの間もみうらじゅんさんと井上陽水さんの会話
(みうらじゅんのサブカルジェッター内でのこと)に耳を傾けていたとき、
井上陽水さんも同じ様なことを仰っていたなあと思うのですが。遠足とはちょっと違いますが、
あるとき陽水さんはボブ•ディランが初来日&コンサートをするのを知って、
もちろん大ファンでいらっしゃいますから、すぐにチケットを買ってその日を待ちわびていました。
でも、いざ憧れのボブ•ディランのステージを迎える前になって色々なことを考え過ぎてしまって疲れてしまった。結局、コンサート当日は、彼の歌に3、4曲酔いしれて大満足、最後まで聴かずに会場を
後にしたというお話です。
ええええ〜〜??!!すっごく楽しみにしていたはずなのに、最後まで聴かずに帰って来ちゃった??
と驚かれる方もおられるでしょうが、ラジオで語られる陽水さんの完璧な言い訳にはそれはもう
すっきりと納得させられます。
「だいたい僕はね、終わりまでいないのよ」。
うう〜〜〜ん、わかるなあぁぁぁ、、強く頷かされました。

懇親会にしても、パーティにしても、お誕生会や結婚式の二次会、飲み会にしても、
ワイワイ楽しい場であればあるほど、なんとなく最後まで参加していると寂しい気持ちになってくる
のは、小中学時代の通学に関係があるからかもしれません。
自分の家がだれよりも学校から遠かった(片道4キロ)私は、一緒に帰宅する友達を見送ることは
あっても見送られることが一度もなかったという長〜い期間を過ごしてきました。
あ、一度だけ例外がありました!自宅のすぐ近くに光善寺というわりと由緒あるお寺がありまして、
小学一年生のときの遠足が、学校から光善寺まで歩いて、光善寺でお弁当を食べて、
そして解散という行程になっていました。もう〜そのときは本当に嬉しくて。
一年生一同が自宅近くまで一斉に歩いて来て、後は美味しいお弁当を食べて現地解散!
なんて夢のようでした。いつもはだれよりも遠くにある学校まで歩いて行って、
だれよりも遠い家へと帰るのが日課でしたから、この日こそは一番先に家に帰れるんだ!って
飛んで喜んだのを今でも覚えています。もう小さな胸が高鳴りましたね(笑)
でも、同時に覚えているのは、真っ先に家の玄関に着いてランドセルを降ろしてみると、
まだ帰路を歩いているみんなのことを想像して、◯◯ちゃんはそろそろ家に着いたかな、
◯◯ちゃんは学校に家が近いから、まだ30分は歩いて帰らなくちゃならないな、
などなど心配事が増えて、それはそれでソワソワと落ち着かない一日でした。
人に見送られるよりも見送るほうが得意だったのかもしれませんねえ。

見送るほうが得意なくせに、終わりが近づくと寂しくなってしまう。
だから、私はまだ、陽水さんのようにはなりきれないのでしょうね。
楽しい出来事の前に思う存分妄想して興奮して楽しんじゃって、
疲れきった頃に当日を迎えて最中から折り返し地点をターンすると次第に寂しくなって、
一人残らず見送ることを前提に残っちゃうっていうね。
だって、陽水さんなんて折り返し地点を見るまでもなくきっと「うん、いい感じぃ」って、
あの柔らかい声を響かせて去って行かれるのでしょうからねえ。
うーーーん、私もそうなってみたい。。。

とはいえ最近は、少し違ってきたなあとも思うのです。気がついたら、先に席を後にしているという
現象が数回、ここ数ヶ月の間に手前にありましたねえ。
少しいい具合に経験を重ねたからか(?)
見送られ方にちょっと慣れたお年頃なのかもしれません。

2015.05.04 | 日常

祝10周年のご挨拶。〜決して一人では歩んで来られなかった時間〜

ひょんなことから兵庫県尼崎市に小さな音楽教室を開き、
発声表現を教授させていただくようになって、ついに来月(2015年5月)で
まる10年を迎えることになりました。
自宅のある三田市から尼崎まで、毎朝毎晩よくぞ車で通ったものです。
私個人の人生としては、30代から40代にかけてを、個人的なトレーニングだけではなく、
同じように発声表現を学びたいという皆さんとの、
セッションとしてのレッスンを重ねてきた年月でした。
ひとつの節目を直前にして、やっと悟ることができたこと。
それは、この10年は「決して一人では歩んでこられなかった時間」だったということです。

特別教えるのがうまいボイスコーチとして知られるわけでもなく、
歌うのがとにかくうまい歌手でもなく、
皆さんが普段目にされているようなメディアにも存在しない、
ただ歌をうたうことが、音楽を聴くことが、声を通して人が、自然が調和することが好きで、
どこからかその様子を見て楽しんでくださった方々が今の場を私に与えてくださいました。ついこの間までそのようなことの本来の意味も知らず、
自分の教室というものを構え、発声表現を人様に教授させていただいていることの運命に、
時に勝手におののき、逃げ出したくなる時を抱えながらも、
こうした時間が綿綿と続いている事実を長い間とても不思議に思っていました。
なぜ、みなさんはこうして私のもとへ来てくださるのだろう?そんなふうに驕っていたのです。
ですが、今ならそれは大きな大間違いだということがわかります。
自分の声を十分に聴くことのできる場を、声を楽しく調和させられる場を、
素直に求める気持ちをたのしい音楽教室へと足を運ぶことで
実現させているのはみなさんご自身だからです。

そう気づかされた瞬間に、自分が恥ずかしくなりました。
と同時に「たかが自分の声、されど自分の声。同じ声なら美しく、
楽しく響かせながら暮らしたいじゃないの」という同じ欲求に、
10年の歳月が埋まるくらいのたくさんの方々の賛同に出会えてきたことを
心から嬉しく思いました。
これまでの道のりは、自身の発声表現を学びたいと願い、
求めつづけてきてくださった皆さんとの共同制作です。
この場を借りて、皆様に心からの感謝を申し上げます。

ありがとうございます!

「決して一人では歩んでこられなかった時間」を思うと愛おしく、
センチメンタルな気分になるのも、また始まる次の10年がもうすぐそこまで来ているからでしょう。

儒家の始祖である孔子は晩年を振り返りこう言いました。
「子曰く、吾十有五にして学に志す、三十にして立つ、
四十にして惑わず、五十にして天命を知る、六十にして耳順う、
七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず
(私は十五才で学問を志し、三十才で学問の基礎ができて自立でき、
四十才になり迷うことがなくなった。五十才には天から与えられた使命を知り、
六十才で人のことばに素直に耳を傾けることができるようになり、
七十才で思うままに生きても人の道から外れるようなことはなくなった)」

四十にして惑わずとはなかなか重い言葉ですが、
なんのためにこんなに夢中になって発声表現を研究しているのだろう...とは
微塵も迷わなくなりました。これも皆様のおかげです。
さて、五十までに天命を知ることができるかどうかにつきましては...、
またこれからの10年のお楽しみです。

2015.04.24 | 癒し癒され

今年は新曲をいっぱいリリースしまっす。

今朝もレッスンのために自宅のある三田から尼崎の教室まで、
車窓から満開の桜を見ながら出勤しました。
桜の花って、妙に懐かしく感じるときもあれば、
そっけない感じがするときもあるから、不思議ですね。

そういえば、私はまだ桜をテーマに曲を作ったことがありません。
クリスマスソングのように、この時期になれば、必ずどこかで桜の歌が聴こえてきますから、
宣伝用にはきっといいのだろうな、とは思いますが、いざ自分が桜の歌を作ってうたおうとすると、
少なくとも、今は、なんとなく嘘をついてしまいそうです(笑)

そうですねえ、いつか桜の歌をうたうようなことがあれば、大人の歌にしたいですね。
卒業とか、出会いとか、別れとか、新しいスタートとか、そんなニュアンスを含む学校からは
少し離れたとこにあるセンチメンタルが、きっと大人の時間にもあるはずです。

人々が桜を見て、さまざまな思い出に浸るように、今日の車内では珍しく
自分たちの音楽を聴いていました。
2012年4月にリリースした『No Where』というアルバムです。
最後のアルバムをリリースしてから、もう3年が経ってしまったんだなあと反省しつつも
素直に、いい曲がいっぱい入っているなあ、としみじみ、自画自賛していました(笑)

私はこれまでに、一度として、すっごいいいアルバムができた!だからみんな聴いて!!
と思ったことがありません。
広報的には、そういった態度をしたほうがいいのでしょうけれども。
いつもそれが空虚に思えて、たくさんの、きれいで、真っ直ぐで、
嘘偽りのない潤沢なエネルギーをすべて注入してきたのに、
出来上がった自分の作品に対して、どーんっと胸を張れない。
作っているときのほうが楽しくて、自分が楽しかった時間を一括りにして盤に焼くことに
どういった意味があるだろうかと。

でも、今日は『No Where』を聴いて、やっていること、やればいいことが
わかったような気がしました。
『表現は時間を超える時限装置』
後藤正文さん(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の言葉を思い出します。
今になって、すごおく愛おしいものがそこにあることがわかって、
なんでこんなに時間が経ってから、このアルバムの良さがわかるようになるんだろう?
つい、そんな言葉が口をついて出ると、ワタリさんが
音楽が先に進んじゃってるからだよ、と言いました。
そういうことなんだろうと思います。

だから、歌っているのが自分だとしても、どこまでも歌は、
私のものではないのだなあと思います。
出来上がって3年が経った歌からでも、自分が歌った私のものではない音楽から、
私は色々なことに気づかされる。
写真アルバムのページをめくりながら、過去に思いを巡らせるようなこととは、
本質的に触れ方が違うのです。

音楽は常に先行している。
面白いなあと思います。

それで、どうして今日はこんなことを書いたのかといえば、
2015年は、たくさんの新曲をリリースしまっす。

予定ですが、そのつもりもつもりで進めています。
今日もレッスンが終わり、帰りの道では、その新しいアルバムに入る新曲を
チェックも含めて聴いてきました。
いつも、こんなんできましたけどー、特に操作もしていません、でも、生まれてきたんですから、
どうか触れてやってください、そんなスタンスでリリースしていますが、
最近ではそれも、幸せなことだなあと感じています。

3年越しの新曲たちですから、変わったものは変わったし、変わらないものは変わらずです。
今はまず、iTunesへのリリースを主体に進めていますが、意味のあることがわかれば、
これまでのアルバムも含めて、CDにすることも考えています。
ものはなるように育つ。
なるように育ててあげられるよう、日々、がんばります。♩♩♩


さて、今日の最後はお知らせです。
まず、今回の話題にのぼった『No Where』は(その他、過去のリリース作品も含めて)
全曲 iTunes Storeで試聴いただけます。Hikari Watari と検索していただくと見つかります。
それから、たのしい音楽教室の日々のレッスンについては、只今、毎春恒例の
「春の音心地キャンペーン」が実施されております。(〜5月末日まで)
たのしい音楽教室のレッスンにご興味、ご関心のある方は、ぜひこの機会に
体験レッスンにお見えください。定員まであと若干名の席がございます。

2015.04.04 | 音楽のある生活

シンプルに、声を出す喜びを。

また今年も、たのしい音楽教室では、春の音心地(ねごこち)キャンペーンを実施中です。
春はさまざまな植物が息を吹き返す季節、盛んに根や枝葉を伸ばすシーズン、ということで、
私たちも伸び伸びと手足を動かし、風通しの良い、体と心になるのにとても良い季節です。

レッスンにお見えになった皆さんが、声を出すって、こんなに気持ちの良いものなのですね、
と陽気に仰ると、私は本当に嬉しい気持ちになります。
はい、こんなに気持ちのいいことなんですよ、て(笑)

体がとても軽くなる、声を出すのが楽しくなる、というご感想、
歌をうたうことがこんなに楽にできるとは思わなかった、というお声も上がります。

人は歌うことができる生物ですから、声を出して気持ちがいいのは、ごくごく自然なこと。
人間は直立するようになったことで、呼吸の仕方、喉の空間など、他の動物とは違う
発話能力を得てきました。
この人間らしい能力を思う存分、素直につかい、伸ばすことは、とても楽しい運動です。

自分の声が嫌いだとか、高い声が出ないから歌いたくないだとか、また、私は音痴だから、
などといった悩みを抱えていらっしゃる方もおられます。
ですがそれは、ほんのした思い違いから生まれてくる、ケアレスミスです。
脳が勝手に判断をしたり、分析してしまったりすることに、素直な運動を縛られてしまうからです。

特に、歌うときや、人前で話をするときなどは、多くの方が緊張し、声を発することに対しての
不安、恐れといったら、尋常ではありません。
ただでさえ、普通ではない場面なのですから、当たり前のことです。
でも、クールに考えてみれば、命をとられるわけでもなく、異常に構えたからといって
なにかプロセスや結果が変わるわけではありません。
むしろ、その異常な構えが、私たちのパフォーマンスを格段に下げてしまうのです。

だからこそ、そうしたときほど、私たちの自然な運動にフォーカスしましょう。
シンプルに、声を出す喜びを、その空間に自分の声が響き、そこにいる人たちと共感できる
幸せを遊ぶのです。
シンプルで自然な発声運動を、身体的に、精神的に学んでゆくのがボイストレーニングです。

なんといっても気持ちがいい、そんな、なにごとにも囚われず、自由に自分の声を発する喜びを
皆さんに感じていただきたいです。

今日はおひな祭りでしたね、いよいよ本格的に、春到来です!

2015.03.03 | 声について想う


はじめまして。ヴォイストレーナーの亘理久佳乃(わたりひかり)です。
しっかり、楽しく、体で伝わるヴォイストレーニングを心がけています。
どうぞ、よろしくお願いいたします♪

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